瓦の種類
2019/06/26
今日は瓦の種類をご紹介します。
粘土瓦
基本的にはご家庭で使われている陶器製品と同じです。
粘土を瓦の形に成型して高温で焼いたもので、古くから使われている屋根材です。
古いお寺の瓦が1,000年以上経っても現存していることからわかる様に、屋根材の中では最も長持ちします。 主な種類としては粘土そのものの色の「素焼き瓦」、炭の様な色の「いぶし瓦」、うわ薬で着色した「陶器瓦(釉薬瓦)」があります。
塗装製品ではないので再塗装の必要がなく、メンテナンスコストが安いのが最大のメリットです。
また、遮音性や断熱性が高く、家の寿命を縮める結露が起こりにくいメリットもあります。
さらに、既存の瓦を一度全部撤去して、再利用することも可能です。
破損しても部分差し替えが可能なので、1枚単位で交換することができます。
デメリット
屋根材の中では価格が高いのがデメリットです。
施工には専門的な技術が必要で、職人不足がさらにコストアップの要因になっています。
また重量が重いため構造躯体への負担が大きく、建物の耐震強度上は不利になります。
躯体を丈夫に作ることでカバーできますが、リフォームであとから陶器瓦を葺くのはお奨めできません。
スレート瓦
メリット
厚さ5~7mm程度の薄くて平らなセメントの屋根材で、一般的には「化粧スレート」と呼ばれています。
尚、天然石の高価なスレートもありますが、特殊なのでこの説明からは除外します。
色柄・形状が豊富で施工しやすく、流通量が多いため、施工費も含めて安価なのが最大のメリットです。
そのため現在の屋根材の中では最も普及しています。
対応できる業者や職人の数が多いので、修理が必要になった時にも安心です。
また粘土瓦と比べて軽量なので、耐震リフォームで粘土瓦からスレート瓦への葺き替えが良く行われています。
デメリット
塗膜が紫外線に弱く、経年劣化による塗膜の剥がれや苔、藻などが発生するため、耐用年数は高くありません。
また屋根に上ると、踏み割れなどで割れてしまうことがよくあります。
定期的な点検とメンテナンスが欠かせないので、メンテナンスコストが高くつきます。
デザインが単調なため、日本の伝統的な家屋には適しません。
金属瓦
メリット
金属製の薄くて軽い屋根材です。
長尺状の平板で葺くのが一般的ですが、瓦型に成型された製品もあります。
日本の伝統的な家屋を耐震リフォームする際に、瓦型に成型された金属瓦で屋根を葺き替えた事例が全国には数多くあります。
以前は亜鉛メッキ鋼板(トタン)が主流でしたが、近年は耐久性の高い「ガルバリウム鋼板」を使用するのが主流になっています。
重さは粘土瓦の約1/10と軽量で、屋根材の隙間がなく、防水性が高いことがメリットです。
緩勾配の屋根にも対応できるので、住宅ばかりでなく大型物件などいろいろな建物の屋根に葺くことができます。
年々商品開発が進んでいて、自然石粒付ガルバリウムなどのより耐久性の高いものが増えています。
デメリット
薄い金属なので熱や音が伝わりやすく、夏の暑さと雨音が響くのが最大のデメリットです。
いずれも建築本体の工夫でカバーすることができますが、弱点をカバーするためのコストがかかります。
特にリフォームで金属屋根に葺き替える場合には、弱点を補うための工事が大がかりになってしまいがちです。
また、キズやへこみができやすく、そこから錆びてしまうこともあります。
以上が代表的な屋根瓦の種類ですが、ほかにもアスファルトシングルや樹脂繊維セメントなどの屋根材があります。
ぜひ参考にしてくださいね。
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