工場・倉庫の屋根
2019/04/23
今回は工場や倉庫の屋根についてお伝えしていきます。戸建住宅の屋根を見ていきますと、瓦、スレート、ガルバリウム鋼板など様々な屋根材が用いられますが、工場のような大型施設になると異なってきます。工場や倉庫の屋根は面積が戸建住宅の何倍も広く、そもそも人が住むための建造物ではないため、機能性を重視する傾向にあります。そこで用いられるのが金属屋根で、特に現在主流となっているのが、折板屋根(せっぱんやね)と言われるものです。工場や倉庫だけではなく、体育館や駐輪場の屋根などさまざまな場所で活躍しています折半屋根や波型スレートです。多くの場所で使われる理由は、折半屋根・波型スレートの特徴にあります。
○折板屋根の特徴○
1,耐久性・・・1枚の金属を折りたたんだようなシンプルな構造ですが、折りたたむことで金属の強度が増します。しかし、錆びやすいため雨などに弱く、防錆対策・防水対策が必要になります。
2,遮音性・・・金属製のため雨音の問題が生じてきます。そこで防振ゴムなどを用いて、室内への音の伝達を減少させることが可能になっています。
3,耐火性・・・断熱亜鉛の材質であれば不燃材料とされ、防火材料として認定されています。折板屋根は金属製であり、基本的には高い水準で耐火性を備えています。
○折板屋根の5種類のタイプ○
1,はぜ締タイプ・・・防水性に優れている上、安価で工期を短縮できます。
2,重ねタイプ・・・強度に重点をおき、強風地帯でも耐えうることができます。3,嵌合タイプ・・・表面にボルトが全くでない、景観を重視したものです。
4,二重葺きタイプ・・・断熱材を用いて室温の調整を測り、騒音も遮断することができます。
5,わん曲加工・・・曲線をつけることで積雪地帯にて力を発揮します。
(工場・倉庫のある環境によって、それぞれの利点を考慮する必要があります。)
工場屋根で使われる二種類目、波形スレート
波形スレートは鋳造工場や鍛造工場などでよく用いられる屋根材です。粘土岩などから造られたもので、戦前から工場の屋根材の主流とされてきました。古い波形スレートにはアスベストが使われていたため、アスベストが社会問題となってからは、折板屋根が工場屋根の主流となっています。ただし現在では、ノンアスベストのタイプも販売されており、現行廃れたわけではありません。
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